[内容]
アメリカで最も影響力の大きい心理療法家であった著者による催眠技術の入門書。「催眠術」の本格的手法を用いて、人を治し、指導し、自分の能力を改善する方法を、多くの実例をひきながら紹介する。
アマゾンの内容紹介から一部引用
[感想]
まず、前提として催眠状態とは変性意識状態に入っていることをさします。催眠にかかるかからないという話は違っていて、人は常に変性意識状態で変性意識状態が深いのか浅いのかの違いがあるだけの話だということです。
変性意識状態の定義は酩酊状態であるとか、そういったことではなく、人間の意識が物理空間ではないところに臨場感を持った瞬間から始まるのです。
潜在能力を最高レベルに引き出す「変性意識入門・催眠編」 (Kindle Single) 位置: 218
いったい、変性意識がなんの役に立つのかということになると思います。臨場感を変化させることにより、考えのフレームをかえ、行動が変えることができます。
例えば、小さい頃の思い出を聞くとはやく仲良くなれることがあります。これは、今ある臨場感から切り離されて、トランス状態になり楽しかった思い出を思い出すことで、対話をしている相手との親和性が高まるためです。なので、嫌なことを聞くと逆効果になってしまいます。嫌な出来事のフレームを書き換えていい思い出に変えることができるなら、親和性はより高まりやすくなりそうです。
トランスに入るひとつの入り口。それはその人が現在の時間、空間から離れることです。思い出をたどることによってその人は現在を離れていきます。その人と、現在の時空とを結びつける唯一のきずなはあなたの声だけです。
催眠誘導―エリクソン・メソード決定版 P80
ヒルガードが声のテンポは催眠導入に関係しないといっているなら、感覚の同調によるホメオスタシスの同調があろうがなかろうが関係ないということなのか。言葉と反応だけに意識を向ければいいだけなので、だいぶ楽になりますね。
アーネスト・ヒルガードという非常に昔流儀の催眠術師は四十年間の研究の後、相手の意識を変える能力と、催眠家の声のテンポとは何ら関係がないことを発見しました。統計的に証明したというのです。
催眠誘導―エリクソン・メソード決定版 P50
流行に合わせて、同じ服装をして同じ言葉、行動をすることで変性意識化する。同じ流行を追っているというのがきっかけになって同調する。意識的にトランス状態になっているのを自覚的になっていればいいが、そうでなければ行動を意識的に変容させられてしまうことがあるので、気をつけたほうがいいですね。どういうときに、トランス状態になるかを知っているだけでだいぶ自衛できるので意識してみてください。
私は、アルファ催眠の誘導を行う時はいつも、声の調子、動作、姿勢、顔の表情を変えます。私のある一定の行動がその人のトランス状態につながりをもったアンカー(錨)となり、ほかの行動が通常の意識状態に関わるようにするためです。
催眠誘導―エリクソン・メソード決定版 P96
[関連]
コメント